プロペシアによる治療 |効果と副作用、費用について
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20歳から79歳までの男性を対象とした調査で、薄毛や抜け毛に悩んでいる人は約62%もいるというデータが発表されています。抜け毛・薄毛の原因は、頭皮の炎症やシャンプー・薬剤の影響、日々の生活習慣の乱れやストレス、遺伝性の壮年性脱毛症などさまざまです。
薄毛は遺伝性の原因が多いからと諦めてしまう人も多いのですが、実は、日々のケアやきちんとした検査結果をもとに治療をすれば、薄毛を防ぎ健康的な強い髪に戻すことができるのをご存知でしょうか。
「プロペシア」は、「フィナステリド」という抜け毛を抑える有効成分を主成分として作られた日本初のAGA治療薬です。
AGA発症の原因や効果的な治療方法は人によって異なるので、このプロペシアという薬について、期待できる効果や副作用、薬を使用する際の注意点などを知っておくことが大切です。
プロペシアとは?
プロペシアは、1997年にアメリカのメルク社によって開発され、現在、世界60カ国以上の国で販売されています。日本でも2005年厚生労働省に承認され、国内で初めて発売された男性型脱毛症(AGA)治療薬です。
プロペシアは、AGA治療に最も有効な薬の一つとされている「フィナステリド」を主成分とし、抜け毛の原因である「ジヒドロテストステロン(DHT)」の増殖を抑制する効果が期待できます。
根本的な原因を抑制することで抜け毛を防ぐことができ、薄毛の改善を促すことができる治療薬です。
プロペシアのまとめ
商品名 | プロペシア錠 1mg |
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効果・効能 |
5α還元酵素II型を阻害する。 テストステロンからDHT(ジヒドロテストステロン)への変換を抑制し、男性型脱毛(AGA)の進行を遅延させる。 |
服用方法 | 成人男性は1日1回1錠服用 |
服用の際の 注意点 |
効果が確認できるまで通常6ヵ月の連日投与が必要。(3ヵ月の連日投与により効果が発現する場合もある)本剤を6ヵ月以上投与しても男性型脱毛症の進行遅延がみられない場合には投薬を中止すること。 |
副作用 | 肝機能障害、勃起不全、リビドー(性欲)減退、精液量減少、射精障害、睾丸痛、発疹など |
禁忌 | 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者、妊婦又は妊娠している可能性のある女性及び授乳中の女性、小児、肝機能に障害のある人。また、錠剤の分割・粉砕不可。 |
ジェネリック | 東和薬品、沢井製薬、武田テバなどから発売 |
価格 | 初回 4,600円、2回目以降 7,700円 |
プロペシアの効果について
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プロペシアに含まれる有効成分フィナステリドは、AGA(男性型脱毛症)の原因である「ジヒドロテストステロン(DHT)」の増殖を抑える効果が期待できます。
ジヒドロテストステロン(DHT)は、5αリダクターゼとテストステロンが結びつくことで発生する物質で、ヘアサイクルの成長期を短くしてしまう抜け毛の原因の1つです。プロペシアには、ジヒドロテストステロン(DHT)の生成そのものを阻害する効果があるので、毎日正しく飲み続けることで抜け毛を防止することができます。
プロペシアを服用しても、人それぞれの体質やヘアサイクルの乱れなど状態が異なるため、症状の改善や発毛のスピードなどには個人差が出ます。効果が出にくい方も一部にはいらっしゃいますが、そもそも服用方法が間違っている場合も多くあるので、医師から説明された量や頻度を必ず守り正しく服用することが大切です。
プロペシアの副作用について
プロペシアは、臨床試験によって、初期脱毛や勃起不全、性欲減退といった男性機能の低下、肝機能障害、うつ症状など副作用の可能性があると報告されています。薬を服用し始めてすぐに現れるものもあれば、長期間服用することで現れるものもあるなど、これらの副作用は、服用する方の体質によってもさまざまです。
そのため、万が一少しでも身体に異変を感じたときには、すぐにクリニックに相談しましょう。
プロペシアの服用時の注意点について
プロペシアの効果を発現させるには、6ヶ月以上は連続して服用を続ける必要があります。また、プロペシア服用中は献血ができないため注意が必要です。そのほか、前立腺がんの検診を受ける場合は、医師にプロペシアを服用している旨を伝えてください。前立腺がん検査で測定するPSA値が通常よりも低くなるため、プロペシアを服用していることを前提とした基準で結果を確認する必要があるからです。
さらに、プロペシアの有効成分「フィナステリド」は、妊婦が服用または薬剤に触れて有効成分を吸収してしまうと男子胎児の生殖器官に影響を及ぼす恐れがあります。これから妊活を始められる方などには心配なところでしょう。しかし、プロペシアの製造販売元であるMSD株式会社の資料によると「男性型脱毛症患者にフィナステリド1mgを1日1回6週間経口投与した時の精液中への移行量は極めて微量(投与量の0.00076%以下)であった。」と、プロペシアが精液中に溶け込む可能性はほとんどないことが記されています。
このことから、服用していても赤ちゃんに影響はないことが分かります。ただ、どうしても気なるようでしたら体内のフィナステリドを抜くために、最低でも1ヵ月前に服用を中止されると良いでしょう。
プロペシアの併用禁忌薬について
プロペシアは併用禁忌薬、いわゆる飲み合わせの悪い薬の報告はされていません。
現在服用されている薬があっても問題なくプロペシアの服用はできます。
プロペシアは未成年は使用できない
プロペシアは、たくさん飲むほどAGAが大きく改善するものではないため、服用量を守って続けることが大切です。また、プロペシアは20歳未満での安全性が確認されていないため、未成年には処方できません。
プロペシアの効果が出る使用方法
プロペシアの効果が見込めるのは、正しいタイミングで正しく使用した場合です。例えば、飲んだり飲まなかったりする日があると、プロペシアの効果を得られません。その間にAGAが進行し、納得できない結果になる可能性もあります。
プロペシアの服用方法
プロペシアは1日1錠を最低6ヶ月は服用を続けましょう。飲むタイミングに指定はありませんが、飲み忘れを防ぐために毎日同じタイミングで飲むことが大切です。例えば、入浴後の水分補給時、食後などに飲むと忘れず飲みやすいでしょう。
水やお湯のどちらで飲んでも作用に違いはありません。また、お酒を飲んでも服用を控える必要がないため、飲酒の習慣がある方でもプロペシアを服用できます。
また、プロペシアに含まれている「フィナステリド」は、経皮吸収される成分です。経皮吸収とは“触れただけでも吸収される”という意味で、妊娠中の女性、妊娠の可能性がある女性、未成年の方が触れないように管理する必要があります。プロペシアはコーティングされていますが、割ったり砕いたりすると経皮吸収が起きてしまいます。女性や子供がいるご家庭では、取り扱いに十分注意しましょう。
プロペシア配合の内服薬は、水で飲まないとだめ?
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プロペシアを含む内服薬は、できるだけ水で服用しましょう。
コーヒーや牛乳、アルコール類など、水以外の飲み物で服用してしまうと、薬の体内への吸収力が低下してしまったり、薬の成分を変化させてしまったりすることで、発毛効果が出にくくなることがあります。しっかりと発毛効果を出すためにも、正しい方法で服用することが大切です。
また、他の薬との併用による飲み合わせが問題になったというケースは報告されていませんが、日常的に他の薬を摂取している方で同時に服用することに不安を感じる方は、医師に相談することをおすすめします。
プロペシアの発毛促進成分について
プロペシアには、発毛を促したりAGA(男性型脱毛症)の進行を抑えたりする成分が含まれています。AGA治療薬の1つであるプロペシアが、どのようにAGAに対して作用するのかプロペシアの発毛促進成分について詳しくご紹介します。
プロペシアに配合されている成分について
プロペシアには、どのような発毛促進成分が含まれているのでしょうか。プロペシアの服用を検討している方は、事前に確認しておきましょう。
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- フィナステリド
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プロペシアには、AGAの進行を抑えたり発毛を促したりするフィナステリドが含まれています。フィナステリドには、5αリダクターゼII型を阻害する働きがあります。
AGAは、男性ホルモンのテストステロンが変化したジヒドロテストステロンによって引き起こされるのですが、テストステロンをジヒドロテストステロンに変化させるのが5αリダクターゼII型なのです。
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- つまり、フィナステリドで5αリダクターゼII型を阻害することで結果的にジヒドロテストステロンの生成を抑えられ、AGA治療ができるということです。フィナステリドを含むプロペシアは、過去にドーピング検査の禁止リストに掲載されていましたが、その後にフィナステリドにドーピング効果がないことがわかり、削除されています。
プロペシアの使用期間について
AGA治療薬のプロペシアは、1回飲めば作用が発揮されるわけではありません。継続的に服用することで作用が発揮されます。途中でやめると作用が発揮されなくなるため、使用期間を守って服用することが大切です。
少しでも早くAGAの悩みを和らげるためにも、使用期間を守ってプロペシアを服用しましょう。
プロペシアの作用がでるまでの
期間について
プロペシアの作用が発揮されるまでの期間には個人差があります。数か月で作用を実感できる人もいれば、1年近く続けても実感できない人もいます。臨床試験では、2年続けることで過半数以上の人が、1年間続けることで半分に満たない程度の人がAGAの進行抑制の作用効果を実感したとされているため、少なくとも1年は続けることが大切です。
プロペシアの使用期間の目安について
プロペシアは、最低6ヶ月は続けた方がいいでしょう。6ヶ月続けても全く作用を感じられない場合は、それ以上続けても作用が発揮されないと考えられます。厳密には、1年程度続ければ作用が発揮される可能性がありますが、ほかの治療も選択肢として考え直した方がいいかもしれません。
例えば、副作用が現れており、生活に何らかの支障をきたしているケースで6ヶ月続けても作用を感じられないのであれば、期待できる作用よりもリスクの方が大きいと言えます。主治医と相談して、続けるかどうかを決めましょう。
また、作用が発揮された場合は、できるだけ長く続けることが大切です。服用をやめると、AGAが再び進行するおそれがあるからです。
プロペシアには「フィナステリド」という成分が含まれています。AGAや薄毛治療でよく見かける成分で、薄毛の原因といわれているジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑制させる働きがあります。日本皮膚科学会で行った調査では、以下のように結果が記されています。
日本人414名フィナステリド(1mg/日)
1年間…軽度改善以上の効果58%
2年間…軽度改善以上の効果68%
3年間…軽度改善以上の効果78%
出典:日本皮膚科学会「男性型および女性型脱毛症診療ガイドライン2017年版」
このように、継続年数が長いほど効果に実感が持てる方が増えていることがわかります。そのため、薄毛治療は医師と相談しながら根気よく続けた方がよいといえるでしょう。
AGA発毛薬の比較
現在、医療機関による処方薬だけでなく、男性用発毛剤もさまざまな種類が市販されています。
国内で初めて発売された発毛剤は、1999年に大正製薬が出した「リアップ」で、その後2017年に改良された「リアップX5プラス」が発売されています。
その後、2005年に万有製薬(現:MSD)から「プロペシア」が発売されました。また、2015年には、ファイザーからジェネリック医薬品「フィナステリド」が発売され、2016年には、グラクソ・スミスクライン社から「ザガーロ」が発売されています。
近年になって若年層の脱毛症が増えてきていることもあり、さまざまな医薬品メーカーからオリジナルの発毛剤が発売されています。たとえば、2018年にアンファー「スカルプDメディカルミノキ5」、ロート製薬「リグロEX5」、東和薬品「ミノアップ」などがそれにあたります。
また、日本で未承認でも海外では発売されているプロペシアを個人輸入で購入する方もいますが、専門のクリニックで処方してもらう薬に比べ、フィナステリドの濃度が濃かったり、成分自体が偽物であったりする可能性もあります。そのため、副作用が出やすくトラブルも多いので、プロペシアは必ず病院やAGA専門クリニックで処方してもらいましょう。
プロペシアには、同じ有効成分が入っているジェネリック医薬品も販売されているので、長期的な治療による薬代を抑えることができるのも特徴です。
プロペシアを含むオリジナル発毛薬
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AGAスキンクリニックオリジナルの発毛薬「Rebirth(リバース)」は、フィナステリドとミノキシジルを主成分に構成されており、この2つの成分は抜け毛を防止し、発毛効果のある成分として世界中で認められている医薬品です。フィナステリドによって抜け毛の原因となる物質の生成を抑え、ミノキシジルによって毛細血管を拡張させて血流をよくし、毛髪に栄養分をしっかり届けることで髪を健康的に成長させる効果があります。
それと合わせて、Rebirthには、髪に必要な栄養を与えることができるよう、アミノ酸などビタミン・ミネラルがバランスよく配合されているのも特徴です。
また、焼成カルシウムとドロマイトの特許成分を使用することで、発毛に必要な有効成分が身体に吸収されやすくなるよう工夫されています。
AGAスキンクリニックによって開発されたオリジナル発毛薬「Rebirth」は、プロペシアの主成分であるフィナステリドとミノキシジルを主成分に構成されており、この2つの成分は発毛効果のある成分として世界中で認められている薬品です。
AGAの原因は、5αリダクターゼ(還元酵素)とテストステロン(男性ホルモン)が結びつき発生するジヒドロテストステロン(DHT)という物質ですが、「Rebirth」に含まれるフィナステリドという成分が、この5αリダクターゼ(還元酵素)の働きをブロックし、抜け毛の原因を抑える効果があります。 -
その他、アミノ酸やビタミン・ミネラルといった栄養素をバランスよく配合することで、新たに生えてくる毛髪に栄養を与え、抜け毛を防止すると同時に健康的で強い髪に変えていく効果を備えます。
また、これらの発毛に必要な有効成分を、できるだけ身体に吸収しやすくする焼成カルシウムとドロマイトといった特許成分を配合することで、より効果が出やすい治療薬として作られています。
まとめ
「プロペシア」の効果や発毛を実感できる時期などには個人差があるため、まずはAGA専門クリニックで血液や毛髪のDNA配列を解析し、フィナステリドの効果を判定する検査を受けることが大切です。
市販薬などをやみくもに使うだけではあまり効果を得られないので、患者さま自身の体質や症状に合わせたオーダーメイドの治療を受けることが、薄毛を改善する一番効果的な治療方法といえます。
また、AGAをきちんと治療して健康的な髪に戻すには、プロペシアをはじめとする薬を使用するだけでは十分とは言えません。
AGAスキンクリニックでは薬の処方だけでなく、頭皮や毛髪を弱くしてしまう根本的な原因となる食生活の改善や生活習慣の見直し、治療に対する不安感やストレスを軽減するなど精神面のサポートも丁寧に行っています。
薄毛の悩みには、患者さま一人ひとりの体質や生活習慣を考慮した治療を行っている当院までご相談くさい。
プロペシアの
治療費用・料金
プロペシア(28錠) | 初回 | 4,600円 |
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2回目以降 | 7,700円 |
監修医師情報
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診療顧問
AGAスキンクリニック 診療顧問 田中 洋平
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経歴
2000年3月 信州大学医学部医学科卒業後、長野県内の病院、救急センター、信州大学付属病院にて研鑽を積む。
専門医取得後、クリニカ タナカ 形成外科・アンティエイジングセンター開設。
後に信州大学医学部より学位(医学博士)を取得し、新潟薬科大学客員教授や東京女子医科大学皮膚科非常勤講師として国内外問わず広く活躍し、AGAスキンクリニックの診療顧問に就任。 -
資格
日本形成外科学会専門医
国際形成外科学会会員
日本美容外科学会会員
日本皮膚科学会会員
日本美容皮膚科学会会員
日本抗加齢学会会員
日本熱傷学会会員
日本救急医学会会員
日本フォトダーマトロジー学会理事
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